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外国人技能実習生制度とは

外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。
平成28年11月28日に公布され、平成29年11月1日に施行された外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)に基づいて、新しい技能実習制度が実施されています。

1. 技能実習制度の沿革

技能実習制度の大枠は1990年に作られましたが、最初から現在と同じ運用形態だったわけではありません。ここでは、技能実習制度の沿革を見ていきます。

ア. 技能実習制度前史

​外国人技能実習制度の前身は、1960年代に日本企業が海外現地法人などで社員教育として実施した研修制度といわれています。当初は大企業が社会貢献や現地事業所の生産性向上のために行うことが主でしたが、徐々に中小企業も研修生を受入れることが増えていきます。

中小企業の技能の伝承者不足や日本企業が設立した海外現地法人において雇用する外国人を日本国内で技能習得させたいという要望から、1990年6月に「研修」の在留資格(研修生)の受入れが開始しました。さらに、同年8月には法務省の告示により「監理団体」を通した「研修」の在留資格(研修生)の受入れもスタートしました。

 

イ. 1993年の技能実習制度の開始

1993年、「技能実習制度に係る出入国管理上の取扱いに関する指針」が施行され、技能実習制度が開始しました。

​当時は技能実習生ではなく「研修」の在留資格(研修生)で受入れ、1年の研修終了後、「特定活動」の在留資格に変更し、「特定活動」の在留資格で技能実習を行なっていた(技能実習生)ため、日本の労働関係法令が適用されないことが問題となっていました。

研修生は労働者ではないとされていたので、労働者としての保護がなく、安心して働ける労働環境の確保という点に課題がありました。

 

ウ. 2010年の在留資格「技能実習」の導入

研修生・技能実習生の立場を守るため、2010年には「出入国管理及び難民認定法(入管法)」が改正され在留資格「技能実習」が創設されました。これにより技能実習生は労働者として働くことが可能になり、労働関係法令が適用されるようになりました。

同時に「監理団体による受入れ企業への監理業務の拡大」「不正行為への罰則強化」が進み、現在の技能実習制度の枠組みが作られることになりました。

エ. 2017年技能実習法の施行

2017年には「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」が施行されます。

これにより外国人技能実習機構(OTIT)が設立され、監理団体や実習実施者への強制的な実態調査が可能になりました。他にも、「監理団体は許可制」「実習実施者は届け出制」「技能実習計画は個別に認定」といった規律が定められ、技能実習生の保護と適正な受入れ体制が強化されることになりました。

2. 技能実習制度の目的と理念

技能実習生を適正に受入れるためには、技能実習制度の目的や理念を正しく理解しておくことが重要です。ここでは、技能実習生を受入れる際に押さえておきたい基本的なポイントを解説します。

ア. 技能実習制度の目的

技能実習制度は、人材育成を通じた開発途上国への技能などの移転による国際協力の推進のための制度です。開発途上国から来た技能実習生に日本の技能や技術、知識を学んでもらい、帰国後に出身国の経済発展に生かしてもらうことを目的としています。

イ. 技能実習制度の理念

技能実習法では技能実習制度が本来の目的から離れて運用されないよう、基本理念において下記2点が明示されています。

1.技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行わなければならないこと
2.労働力の需給の調整の手段として行われてはならないこと[1]

そのため、技能実習制度を利用する際はあくまでも国際貢献が目的であることを念頭に、技能実習生が技能や技術を習得できるようサポートすることが求められます。

ウ. 技能実習制度についての誤解

前述の通り、技能実習制度は本来、人材育成を通じた技能などの移転による国際協力推進のための制度です。一部の人は「技能実習生の受入れ=足りない労働力の確保」と誤解していることもありますが、技能実習制度を労働力需給の調整手段とすることは制度の目的に合致しません(技能実習法3条2項)。

実習実施者の中には技能実習制度の目的を理解せずに利用し、法令違反を犯すケースが少なくありません。法令違反をすれば技能実習生を含めた雇用や事業に大きく影響するだけでなく、企業イメージにも関わるので、制度の目的に沿って適正に受入れることが重要です。

3. 技能実習制度の概要

ここでは、技能実習制度における関係機関や受入れ方法、受入れられる人数枠など概要について解説します。

ア. 技能実習制度における関係機関

技能実習制度における主な関係者・関係機関は、技能実習生・実習実施者・監理団体・送出機関・外国人技能実習機構の5つです。

【技能実習制度における5つの関係者・関係機関】

1)技能実習生 

 日本で働きながら技能や技術、知識の習得を目指す人
「18歳以上」「帰国後に日本で習得した技能などを生かす仕事に就く予定がある」など要件がある

2)実習実施者

   実習を行う日本の企業や個人事業であり、技能実習生との間で雇用契約を締結する者

3)監理団体

技能実習生の受入れをサポートする非営利団体 実習実施者に対して技能実習計画の作成指導や監査などの監理事業を行う

4)送出機関

技能実習生の送出国で、日本の監理団体に求職者を取り次ぐ機関 人材募集や選抜、推薦、事前教育なども行う

5)外国人技能実習機構(OTIT)

法務省・厚生労働省が所管する認可法人 技能実習計画の認定などの技能実習に関する業務を行う

図)技能実習制度の構図

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図)団体監理型の図

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​図)企業単独型の図

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